AI人事とは?主要な活用例10選やメリット・リスク、企業の導入事例を解説

近年、人事領域にAIの導入が進められていますが、メリットとデメリットもあり、導入は慎重に検討する必要があります。また具体的な活用方法は数多くあることから、現場に最適な活用を進める必要があるでしょう。
そこで今回は、人事にAIの導入が進む背景からAIの活用例、導入事例まで解説します。
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なぜ今「AI人事」なのか?導入が急速に進む3つの背景

まずは人事領域にAI導入が進んでいる背景をご紹介します。近年、多くの企業で人事部門が抱える課題は複雑化しており、その解決策としてAIや関連ツールの活用が注目を集めています。どのような組織的な課題があり、なぜAIによる支援が求められているのか、具体的な背景を解説します。
人手不足、業務効率化
近年の少子高齢化による人手不足は、多くの企業が直面しています。特に人手不足になりやすい部門・部署、業務があります。
中でも人事業務はその範囲が幅広い上に、採用や研修、人材配置などは機械的に進めることはできず、対人での対応や複雑な判断が求められ、常に人が必要であることから、人手不足を実感しやすいものです。
人手不足は、より少ない人員で生産性を上げる必要があり、業務効率化は必要不可欠です。AIが人手の足りない部分を担い、社内からの定型的な質問への対応や膨大な情報の整理などを支援することで、担当者の負担を軽減し、業務効率化の助けになります。
経営戦略としての人事を進める必要性
近年、人事は経営戦略として進める必要が生まれています。経営戦略に沿って人材マネジメントを進める「戦略人事」という言葉が生まれていることからもわかる通り、人事はそれ単独ではなく、経営全体の方向性を考慮する必要があります。
AIを使って人材のスキルを分析したり、キャリア志向や適性検査の結果などをデータで管理し、人材マネジメントを行うことは、人事担当者の戦略人事の戦略立案に役立ちます。蓄積された情報をAIが分析することで、適切な人材配置や育成計画の策定が可能となり、組織全体のパフォーマンス改善や効果的な人材活用を実現する基盤となります。
DX推進
近年、企業はDXを促進する必要がありますが、単なるデジタル化ではなく、デジタル技術を活用して業務を変革し、高いイノベーションを創出するなど、新しい価値を生み出す必要があります。そうした組織的な変革を進める中、AIは欠かせない存在となってくるでしょう。
AIによって人事の一部の業務を自動化したり、データ分析により質の高い結果を手に入れることができるため、業務の効率化を実現しやすくなります。また、業務に集中できることから、本来注力すべき戦略立案や人材マネジメントなどに注力できるようになるでしょう。
人事領域におけるAIの活用は、部門内の課題解決にとどまらず、企業全体のDXを大きく後押しします。
人事業務へのAI導入メリット・デメリット

人事領域におけるAIの導入は、業務効率化やデータに基づく意思決定など多くの効果をもたらす一方で、運用上のリスクや注意すべき点も存在します。人事業務にAI導入を検討する際は、メリットとリスクの両面を正確に把握し、自社の組織課題に応じた適切なAIの活用法を見極めることが重要です。
【メリット】
●人材育成と配置の効率化
AIを活用することで、従業員一人ひとりのスキルや過去の業務実績、評価データを多角的に分析し、客観的な視点で最適な配属先や異動先を提案することが可能になります。従来は担当者の経験や主観に依存しがちだった人材配置のプロセスをデータに基づいて標準化できるため、組織全体の適材適所を実現しやすくなります。
また、分析結果から現場に必要なスキルや不足している知識が明確になるため、個々のキャリアに応じた育成研修や学習コンテンツの提供など、人材育成プランの作成や運用の効率化にもつながります。
●人材採用の最適化
AIは採用にも大きなメリットを生み出します。書類選考における一次スクリーニングや、応募者および候補者との面接日程の調整など、人事担当者の負担が大きい定型的な業務を自動化することができます。
さらに、面接データの分析や評価基準の統一をサポートしてもらうことで、選考プロセスの公平性を高めることも可能です。手作業による業務時間を削減することで、候補者との対話や見極めといった本質的な選考業務により多くの時間と労力を割り振ることができるようになります。
●人事業務の作業効率化とコア業務への集中
AIは、勤怠管理や労務管理、給与計算といった作業を効率化することができるため、余った時間を使って、コア業務に集中できます。
勤怠管理や労務手続き、給与計算といった日常的かつ正確性が求められる実務をAIツールやシステムと連携して効率化することで、作業ミスを防ぎつつ処理スピードを向上させることができます。業務の自動化によって生まれた時間を活用し、人事担当者は採用戦略の構築や組織開発、人事制度の企画といったコア業務に集中できるようになります。また、AIによって収集・分析されたデータは、経営層へ人事施策を提案する際の客観的な根拠資料としても有効に活用できます。
●コンプライアンス強化
勤怠データのリアルタイムな監視や打刻漏れ、長時間労働の兆候、不正な申請などをAIにチェックさせることで、社内のコンプライアンス体制を強固にすることができます。人間の目では見落としがちな細かなデータ変化や異常なパターンをAIが早期に検知してアラート通知するため、労務問題の未然防止や法改正への迅速な対応が可能となります。結果として、従業員が安心して働ける健全な職場環境の維持に貢献します。
●戦略人事の実現
AIの導入は、経営戦略と連動した戦略人事の実現を強力に後押しします。社内に点在する人事情報や従業員データを高度に分析することで、組織の強みや課題を可視化し、経営目標の達成に必要な新しい人材ポートフォリオの策定や組織設計が行えます。感性や過去の慣習だけに頼らない、データに基づく意思決定のプロセスを構築できるため、変化の激しいビジネス環境にも柔軟に対応できる人事体制を整えることができます。
【リスク(デメリット)】
●偏った回答、誤情報への対処
生成AIやチャットボットを活用して、社内からの制度や手続きに関する質問および問い合わせ対応を自動化する動きが広がっています。しかし、生成AI特有の現象として、偏った回答や事実と異なる誤りを含む情報を出力するリスクがある点に留意する必要があります。
特に労働法規や就業規則の改定が生じた際、AIが古い情報や不正確な内容をそのまま回答してしまい、人間側がその回答を資料作成や業務判断のデータ元として使用してしまうと、社内での不適切な情報共有やコンプライアンス違反につながる懸念があります。AIの回答精度の定期的な確認と、人間の手による確認体制を整えることが欠かせません。
●情報漏洩のリスク
人事領域では、従業員や求人応募者の氏名、経歴、評価結果、給与情報といった極めて機密性の高い個人情報を扱います。そのため、AIによるデータ分析だけでなくネットワーク上でのデータ連携を行う際には、情報漏洩のリスクに対する厳重な安全対策が求められます。特に近年では、サイバー攻撃の手法自体にAIが利用される事例も増えており、標的型メールや不正アクセスの手法が巧妙化しています。AIツールのセキュリティ要件を事前に審査し、適切なアクセス権限の設定や暗号化などの対策を実施する必要があります。
当然ですが、データを他の学習データに利用する野良AIツールの使用は厳禁です。
●データ品質やプロンプトに結果が左右される
AIによるデータ分析や文章作成の精度は、入力するデータの品質や、プロンプトと呼ばれる指示文の内容に大きく左右されます。不完全なデータや不適切な指示をAIに与えてしまうと、偏った分析結果や意図しない出力が生成され、適切な判断を妨げる要因となります。このリスクを回避するためには、個人のスキルや属人的なプロンプトの作成技術に依存するのではなく、人事業務に最適化され、堅牢なセキュリティ環境で動作する専用のAIサービスやシステムを導入することが有効な選択肢となります。データ基盤を整え、誰もが均一な精度で人事データを分析できる環境を構築することが、人事業務におけるAI活用成功の鍵となります。
【ジャンル別】人事業務におけるAIの具体的な活用例10選

人事業務におけるAIの活用例をジャンル別にご紹介します。
業務のジャンル | 具体的なAI活用例 |
|---|---|
人材育成 | 最適な研修コンテンツの生成 |
人事評価 | 人事評価フォームの自動生成 |
勤怠管理 | 勤怠データ管理の効率化 |
人材配置 | 配属・異動の最適化 |
タレントマネジメント | スキル分析 |
調査業務 | 従業員向けサーベイの設問生成・集計・結果分析 |
問い合わせ対応 | 社内問い合わせ対応の自動化(チャットボット) |
採用 | 応募書類の要約・分析・スクリーニング |
採用サイトや資料などのコンテンツ制作 | |
面接日程調整 | |
AIによる面接 | |
人事戦略 | データ統合・横断的分析 |
経営視点のレポート作成・提案 | |
事務作業 | 規定・ポリシー作成の半自動化 |
議事録や会議内容の自動要約 |
人材育成
●最適な研修コンテンツの生成
人材育成の段階では、従業員の過去の実績や現在のスキルデータをAIに分析させることで、個々の不足しているスキルや次に習得すべき最適なスキルをAIが選定し、提案してくれます。また、社員ごとのレベルやキャリア目標に合わせた育成プログラムの作成や、研修用コンテンツのテキスト・構成案を自動生成することも可能になり、人事担当者の教材作成にかかる負担を大幅に削減できます。
人事評価
●人事評価フォームの自動生成
人事評価の運用において、目標設定シートや評価フォームの作成には手間がかかります。AIを活用することで、職種や役職、評価制度の変更内容に応じた評価フォームや振り返りシートの自動生成が可能となり、準備作業の効率化につながります。さらに、評価コメントの下書き作成や表記ゆれの修正サポートなどを取り入れることで、評価プロセスの平準化と質の向上にも寄与します。
AIを活用した客観的な人事評価の仕組みづくりや、人的資本経営への応用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
人事評価にAIをどう活かす?導入のメリット・デメリットと人的資本経営を成功に導くポイント
勤怠管理
●勤怠データ管理の効率化
AIが日々の勤怠打刻データをリアルタイムで自動分析し、異常な勤務パターンや長時間の残業、打刻漏れなどを早期に検知してアラートを出します。これにより、従来の目視確認による作業負担を軽減し、管理の効率化とミス防止を実現します。
また、蓄積されたデータをもとに過重労働のリスクを事前予測し、労務トラブルを未然に防ぐ改善施策を講じやすくします。
人材配置
●配属・異動の最適化
AIが従業員それぞれのスキルセット、適性検査の結果、過去のプロジェクト経験、本人のキャリア志向などのデータを多角的に分析し、各部署のニーズと照らし合わせながら最適な配属先や異動先を提案する仕組みを構築できます。AIは主観や感覚だけに頼らないデータに基づく判断を行うため、ミスマッチによる早期離職を防ぎ、組織全体のパフォーマンスを最大化する効果が期待できます。
タレントマネジメント
●スキル分析
タレントマネジメントとは、従業員のスキルや経験などのデータを可視化し、組織の成長や経営目標に連動させる取り組みです。AIによるスキル分析結果は社員一人ひとりの強みや潜在的な能力を客観的に出すことができます。これにより、後継者育成プランの策定や新規プロジェクトチームの結成時にも、条件に合った適切なメンバー抽出を迅速に行うことができます。
調査業務
●従業員向けサーベイの設問生成・集計・結果分析
AIは、エンゲージメント調査や社内意識調査といった従業員向けサーベイにおいて、調査目的に合わせた適切な設問を自動生成したり、回答データを即座に集計したりすることができます。さらに、記述式のフリー回答などの定性データから感情分析や課題の傾向抽出を行い、改善に向けた分析結果をわかりやすくレポート化するため、分析にかける時間と負担を大幅に削減できます。
問い合わせ対応
●社内問い合わせ対応の自動化(チャットボット)
就業規則や福利厚生、各種手続きなど、人事業務に関連する社内ナレッジデータを学習したAIチャットボットを導入することで、従業員からの問い合わせへの一次対応を自動化できます。AIは24時間いつでも即座に回答を提供できるため、問い合わせを行う社員の利便性が高まるだけでなく、人事担当者が日常業務を中断して対応する回数を減らし、双方の生産性向上に貢献します。
採用
・応募書類の要約・分析・スクリーニング
・採用サイトや資料などのコンテンツ制作
・面接日程調整
・AIによる面接
採用分野では、AIの活用が特に多岐にわたり進んでいます。
多数の応募書類から必要なスキルや経歴を抽出・要約して採用候補者の自動スクリーニングを行ったり、採用サイトの求人原稿やスカウトメール、説明会資料などのコンテンツ制作を補助させたりできます。さらに、応募者や候補者との面接日程調整の自動化や、初期選考段階でのAIによるオンライン面接の実施など、選考プロセス全体のスピードアップと効率化を実現する取り組みが広がっています。
人事戦略
●データ統合・横断的分析
社内に分散しがちな採用・評価・勤怠・研修などの人事データをAIで横断的に統合し、分析することで、単体では見えづらかった組織の傾向や相関関係の把握が可能になります。
●経営視点のレポート作成・提案
横断的に分析したデータを集計し、現状の組織課題や将来の人員推移予測などを提示する経営視点のレポートを自動作成することで、経営陣へ質の高い意思決定材料をタイムリーに提出・提案することが可能となります。
事務作業
●規定・ポリシー作成の半自動化
就業規則や社内規定、人事ポリシーなどを新設・改定する場合に、最新の法改正や他社事例を踏まえた下書きや構成案の作成をAIに任せることで、ゼロから作成する手間を省き、人事担当者の業務負荷を削減できます。
●議事録や会議内容の自動要約
人事部門内で行われる定例会議や個別の面接・面談について、音声認識技術とAIを組み合わせて議事録の自動作成や要約の生成、決定事項やアジェンダの抽出、関係者への自動通知などを行うことで、会議後の事務処理を効率化し、スムーズな業務連携をサポートします。
また、こうした事務作業や定型フローについてはAIが自律的に業務を完了させるAIエージェントの活用も進んでいます。AIエージェントの人事業務活用についてはこちらで詳しく解説しています。
人事業務を劇的に変える「AIエージェント」とは?
【先進企業に学ぶ】人事へのAI導入・活用成功事例

人事へのAI導入成功事例をご紹介します。
問い合わせ対応
従業員からの、人事担当者や労務担当者への問い合わせに24時間365日自動で回答するAIチャットボットの事例です。回答できない内容は、直接問い合わせ先が表示されるため、適切にエスカレーションが行われます。回答成功率は約80%となっていました。
人材配置
AIを活用した人材配置のマッチングシステムを自ら開発して導入した事例です。現場に即した実用的な配置を実現する手法をとっています。
戦略的な人材育成
戦略的な人材育成を行うために、AIを用いて従業員のキャリアに応じたアクションや人事制度を提案する仕組みを設けた事例です。
例えば研修に参加した従業員に対して、研修後のAIにまつわるアクションを提案します。人が行っていた場合には、数千時間かかるところ、AIと人の協働で15時間前後まで短縮できています。
AI活用の人事システム「LaKeel HR」
先ほどお伝えしたように、人事業務におけるAIの活用用途は幅広いジャンルに渡ります。しかし各業務にAIを導入する際に、部分的な導入でツールが乱立することは避けたいものです。この問題を回避するには、あらゆる人事業務のAI化を、ひとつのシステムで網羅・統合できる人事システムを、有力な選択肢として検討することを推奨します。
人事業務のプロセスは採用・配置・評価・給与・退職まで、すべてつながっています。バラバラにツールを導入してデータの「分断」を起こすのではなく、基盤となる人事システムそのものにセキュアなAI機能が統合されているシステムを選ぶことは、長期的な投資対効果を高めるための非常に現実的なアプローチとなります。
「従業員スキル・後継者分析」から「評価フォーム自動生成」「AIエージェントによる給与チェック」までを包括的にカバーしている統合型人事システム「LaKeel HR」は、まさにそうした「業務とデータの統合」を実現するシステムです。
LaKeel HRとは
LaKeel HRは、社内のデータを一元的に集め、ハイパフォーマー分析や退職リスク予測、採用分析などさまざまな分析が可能なシステムです。クラウド型のため、場所を問わず利用できます。法改正にも対応できる自社独自のカスタマイズも可能です。
AI活用例(将来的に実装予定)
AIの機能を活用することで、将来的に次の用途でも活用できる予定です。
・従業員スキルや後継者分析
・AI分析結果をもとにした高評価社員の目標設定の傾向の把握
・評価入力フォーム自動作成
またAIエージェントを活用できるようになる予定です。AIエージェントは自律型で対話によって業務タスクを進められるシステムです。共に考え提案、実行するパートナーとして次のようなタスクを実現できるようになる見込みです。
・給与計算の自動チェック
・評価・マネジメント支援
・退職手続きの自動化
・組織ケアと予測
LaKeel HRの詳細については、ぜひ下記をご覧ください。
●LaKeel HRのサービス資料は こちらよりダウンロードいただけます。










