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エンゲージメントサーベイとは?基礎から徹底解説


従業員のエンゲージメントを調査する「エンゲージメントサーベイ」は、今、多くの企業で採用されています。これからエンゲージメントサーベイを導入しようとするに当たって知っておくべき、概要からエンゲージメントサーベイの質問項目、導入のメリット、取り組み事例を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.エンゲージメントサーベイとは
    1. 1.1.エンゲージメントとは
    2. 1.2.従業員満足度との違い
    3. 1.3.エンゲージメントサーベイが重要視される背景
  2. 2.エンゲージメントサーベイの質問項目
    1. 2.1.eNPS(Employee Net Promoter Score)
    2. 2.2.Q12(キュートゥエルブ)
    3. 2.3.ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)
  3. 3.エンゲージメントサーベイ導入のメリット
    1. 3.1.現状課題の把握と対応できる環境構築
    2. 3.2.データ活用で戦略的に人事が行える
  4. 4.エンゲージメントサーベイの事例
    1. 4.1.リクルートホールディングス
    2. 4.2.東京海上日動火災保険
  5. 5.エンゲージメントサーベイ機能も充実の「LaKeel HR」のご紹介
  6. 6.まとめ

エンゲージメントサーベイとは

まずはエンゲージメントの意味から確認していきましょう。

エンゲージメントとは

企業とその従業員に関する「エンゲージメント」には大きく分けて2つあります。それはワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントです。ワークエンゲージメントは、従業員の「仕事」に対する関連するポジティブな心理を表し、具体的には「活力、熱意、没頭」を表します。

従業員エンゲージメントは、従業員の「企業」に対する共感の度合いや相互理解の度合いを表します。企業とは、具体的には、企業理念やビジョン、事業の目的や活動、風土や人材、待遇などの各種項目を指します。

サーベイとは「調査」や「診断」の意味であるため、「エンゲージメントサーベイ」は、従業員のワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントを定量化し、スコアリングして可視化する調査を表します。従業員が仕事や企業に対して、どのくらいポジティブな感情を持っているか、そして共感しているかを調査・診断するものです。


従業員満足度との違い

エンゲージメントと似た言葉に「従業員満足度」がありますが、従業員満足度はエンゲージメントに含まれる概念です。従業員満足度は、待遇や環境、例えば給与や福利厚生などに対する満足度を指します。エンゲージメントは、従業員満足度のほか、企業理念への共感度や愛着心、信頼、モチベーションなども含んでいます。


エンゲージメントサーベイが重要視される背景

近年、エンゲージメントサーベイが重要視され、多くの企業で取り入れられている背景として、最も大きいと考えられているのが、企業と従業員の結びつきが弱くなりがちな傾向になってきたことです。

かつての終身雇用制といった、入社すれば一生その会社に貢献し続けるという考え方が年々薄れてきており、価値観や雇用形態・働き方の多様化などを背景に、長年同じ会社に居続けるということが時代にそぐわなくなってきました。そこで、企業と従業員の結びつきを強化し、企業理念へと共感した熱意を持った人材を求める想いから、まずは現状把握のための診断ツールとしての、エンゲージメントサーベイが導入されるようになりました。



エンゲージメントサーベイの質問項目

エンゲージメントサーベイを実施する際には、どのような質問項目が必要なのでしょうか。

ここでは、具体的な質問項目を知るために、3つの例をご紹介します。


eNPS(Employee Net Promoter Score)

eNPS(Employee Net Promoter Score)は、世界的に活用されている従業員ロイヤリティを計測する質問で、米国発のベイン・アンド・カンパニー社が提唱した「NPS」という顧客ロイヤリティを測る指標を応用したものです。

質問項目は、「親しい知人や友人に、あなたの職場で働くことをどれくらい勧めたいですか?」というものです。eNPSでは、これを0~10点で評価します。


Q12(キュートゥエルブ)

Q12は、米国企業ギャラップという調査会社が提供する、会社の業績を診断することができる指標です。これは、従業員のエンゲージメントを診断することにも使われています。Q12には、次のような12の質問項目があります。

Q1「職場で自分が何を期待されているのかを知っている」

Q2「仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている」

Q3「職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている」

Q4「この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした」

Q5「上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ」

Q6「職場の誰かが自分の成長を促してくれる」

Q7「職場で自分の意見が尊重されているようだ」

Q8「会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる」

Q9「職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている」

Q10「職場に親友がいる」

Q11「この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた」

Q12「この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった」

Q12では、5段階にスコアリングします。


ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)

ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)は、国際的に信頼性と妥当性が検証されているエンゲージメント尺度の一つで、日本では慶應大学の島津明人教授によって日本語化されています。

ワーク・エンゲージメント尺度のなかには、ワークエンゲージメントの3要素である活力、熱意、没頭それぞれについて、次のような質問項目があります。


・活力

「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」

「職場では、元気が出て精力的になるように感じる」

「朝に目がさめると、さあ仕事へ行こう、という気持ちになる」


(熱意)

「仕事に熱心である」

「仕事は、私に活力を与えてくれる」

「自分の仕事に誇りを感じる」


(没頭)

「仕事に没頭しているとき、幸せだと感じる」

「私は仕事にのめり込んでいる」

「仕事をしていると、つい夢中になってしまう」


エンゲージメントサーベイ導入のメリット

エンゲージメントサーベイを導入すると、企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットをご紹介します。

現状課題の把握と対応できる環境構築

エンゲージメントサーベイを実施し、現状の従業員のエンゲージメントの実態を知ることで、従業員の想いや考えと、会社の経営理念や行動指針との違いが明確になり、課題が見えてきます。その結果、課題に適切な対応ができるという土台と環境を手に入れることができます。


データ活用で戦略的に人事が行える

エンゲージメントサーベイを実施した結果は、データとして蓄積でき、人事活動のあらゆる施策を戦略的に実施することが可能になります。

注意すべきは、エンゲージメントサーベイを導入すれば、すぐに従業員のエンゲージメントが向上し、組織が活性化するわけではない、ということです。現状課題をより正確にとらえることができれば、より施策を効果的に実施することができます。その結果、エンゲージメントが高まることで、下記のメリットも得られることが期待できます。


  • モチベーションの維持・向上
  • 離職率低下・定着率アップ
  • 「リファラル採用」の成果を向上させられる


従業員のエンゲージメントが向上することで、企業への愛着や仕事へのモチベーションが上がり、定着率の向上と離職率の低下につながるでしょう。また、従業員が、外部から社内に優秀な人材を紹介することによる採用手法「リファラル採用」は、エンゲージメントが高い従業員ほど良き人材を紹介するといわれているため、その成果も向上することが期待できます。



エンゲージメントサーベイの事例

実際に、エンゲージメントサーベイを導入したことで、成果を出した企業の事例をご紹介します。

リクルートホールディングス

リクルートホールディングスは、高度専門人材を外部から確保すると同時に定着を目的としてエンゲージメントサーベイを実施しました。その際、ただ単にITスキルの高い高度専門人材を迎え入れるのではなく、同グループ企業の強みである「バリュー」が希薄にならないよう、バリューの浸透促進や職場環境の整備を通じてエンゲージメントを強化するための施策を実施。その一環として、エンゲージメントサーベイを実施して現状把握をし、職場ごとにディスカッションを実施し、バリューの浸透度を知った上で、課題を改善しながら高度専門人材を迎え入れる体制を整えました。


東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険は、労働市場の変化や価値観の多様化などがあった上に、新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響でリモートワークを導入したことで、現場のマネジメントがむずかしくなっていました。特に従業員の働きがいやモチベーションの把握、組織としての一体感の醸成の難易度が上がりました。

そこでエンゲージメントサーベイを実施し、自社の強みと弱みを可視化したことで、課題が明確に。改善策を具体的に投じることができるようになりました。

具体的には、マネージャー層へのマネジメント研修などを実施し、マネージャーのマインドやスキルの向上、そのメンバーのなりたい姿を共有することによる一体感の醸成に務めました。



エンゲージメントサーベイ機能も充実の「LaKeel HR」のご紹介

ラキールが提供する統合型人事システム「LaKeel HR」では、今回取り上げたエンゲージメントサーベイを自社で実施することができます。

自社で設問を作り調査を実施することはもちろん、回答を分析する際には、人事システムに登録されている入社年次や性別、労働時間などと掛け合わせた分析も実施可能です。

さらに、回答促進のリマインドや結果情報の共有など、調査結果を一元管理するための機能が充実しています。

さらに、「LaKeel HR」は勤怠管理や入退社手続きなど、基本的な人事労務に必要な機能を網羅しているほか、データ分析機能も備えており、休職・退職予備軍の抽出などのネクストステップのためのヒントも得ることができる、多機能な人事管理システムです。


●大企業向け人事システム「LaKeel HR」



まとめ

エンゲージメントサーベイは、従業員のエンゲージメントの実態を明確化するために重要な調査といえます。実施することにより、現状課題が浮き彫りになるというメリットが得られることで、具体的な施策が見えてきます。

多様な働き方が浸透しているこのニューノーマル時代に、より重要な施策の一つといえるでしょう。

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