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「ジョブ型」時代のタレントマネジメント

​​​​​​​画像:作業風景


コロナ禍で大手企業を中心に大手企業が相次いで導入を宣言し、昨今話題になっている「ジョブ型」雇用。

この記事では「ジョブ型」の概念や「ジョブ型」のタレントマネジメントを実現するために必要なことをご紹介しています。


目次[非表示]

  1. 1.「ジョブ型」と「メンバーシップ型」とは
  2. 2.「ジョブ型」への転換で必要なこと
    1. 2.1.期待役割やミッションを明確にする
    2. 2.2.期待役割に対する競争力のある報酬
    3. 2.3.成果を測る仕組みとフィードバック
    4. 2.4.新卒採用はマス型から個別型へ
    5. 2.5.双方向コミュニケーション
  3. 3.ジョブ型がマッチする組織づくり
    1. 3.1.インターナルブランディング
    2. 3.2.ダイバーシティ&インクルージョン
    3. 3.3.トランスペアレンシー(情報の透明性)
  4. 4.今後

「ジョブ型」と「メンバーシップ型」とは

「ジョブ型」雇用とは、ジョブ・ディスクリプション(JD)と呼ばれる職務内容、権限と責任範囲、働き方や勤務地を企業側が提示し、それに合意した人材と雇用契約を結ぶ雇用形態を言います。欧米ではこの雇用形態がスタンダードです。経験のない新卒者は募集ポジションに自分のスキルや経験がマッチしていないと応募できないため、憧れの企業に入社するためには、契約社員やフリーランスで経験を積み、数年でより条件の良い環境へ転職することも多いです。

一方、「メンバーシップ型」雇用とは、多くの日本企業で採用されてきた雇用形態で、採用は新卒で大量に獲得し、終身雇用を前提に、複数の職務を経験させ、経営幹部に育てていきます。期待された人材ほど多くの職務を経験させるため、異動によって給与が変わってしまうことがマイナスにならないよう、職務ではなく職能等級で給与を決定してきました。仕事や責任が変わらない場合も、長い経験により能力が向上すれば、評価され、昇給していきます。

近年、日本では「メンバーシップ型雇用」であってもポスト給や成果評価などの導入で年功序列から実力主義へ移行してきています。

「ジョブ型」と「メンバーシップ型」とは

つまり、「メンバーシップ型」は人に仕事をつける“適材適所”という考えに対し、「ジョブ型」は仕事に人をつける“適所適材”という考え方になります。


「ジョブ型」への転換で必要なこと

期待役割やミッションを明確にする

「ジョブ型」の場合、ポジションが空いた時、社内で公募または外部からの採用による補填が一般的です。公募でも採用でもポジションのミッション・期待役割を明確化することが非常に重要となりますが、日本の多くの企業は役割定義が曖昧なのが現状です。この定義が明確でないと自立した業務遂行・キャリア形成ができないため、エンゲージメントは下がりやすく、正しく評価ができない等の弊害となります。


期待役割に対する競争力のある報酬

期待役割を果たすために必要なスキルや経験を持った人材を採用しようとした場合、どのくらいの報酬レンジであれば採用できるのかを考える必要があります。

特に、『IT白書2020』では、IT企業の90%以上がIT人材の不足を感じています。必要な人材を獲得するために人材マーケットの中で競争力のある報酬レンジの設定が必要になります。

また、正社員を採用するだけでなく、フリーランスとの契約や業務委託などで、労働力を確保するということも増えていくと思いますので、これまで第2の給与と呼ばれてきた福利厚生等の手厚さよりも、直接的な仕事に対する対価で比較されることが多くなると思います。


成果を測る仕組みとフィードバック

「メンバーシップ型」に比べ「ジョブ型」は、より成果主義になると言われています。個人が期待役割を果たしているかだけでなく、ポジションを担えるスキルがあるかの見極めが必要になります。より難易度の高いジョブに就くことで昇給していき、仮に能力があっても空席がなければ昇給はされないため、評価のフィードバックやキャリア相談の難易度は高まります。また、マネジメント職の評価は組織役割・目標を事業計画に基づき設定され、達成度を測る指標がなければ納得感を高めることができません。


新卒採用はマス型から個別型へ

「ジョブ型」雇用が浸透してくると、自分のニーズや個性を生かせる会社かどうかという点で企業選びをする学生が増えることが推察されます。HR総研「2021年&2022年新卒採用動向調査」によると、2022卒採用では、合同説明会や就活ナビを使用する「マス型採用」からダイレクトリクルーティングやリファラルといった「個別採用」へシフトした企業が増えています。現在は過渡期ということもあり、多くの企業が「マス型」と「個別」を併用しているようです。

HR総研「2021年&2022年新卒採用動向調査

出所)ProFuture株式会社/HR総研「2021年&2022年新卒採用動向調査」


双方向コミュニケーション

これまでトップダウンで一方向だったコミュニケーションも、個別の特性やWillに寄り添った双方向のコミュニケーションが必要になってきます。「メンバーシップ型」に比べ、価値観や環境が異なる人材が増えますので、1オン1などの面談で個人にフィットした伝え方が重要です。個人の把握をすることがマネジメントの役割としても大きくなり、面談情報をデータ管理し、上司・人事で共有するニーズも高まってきます。

>人事も現場も使いやすく、必要な情報を一元管理する人事システム


ジョブ型がマッチする組織づくり

インターナルブランディング

組織のエンゲージメントを高めるためにパーパス・理念を共有し、それを理解し実現に向けて体現している人を賞賛するなど、組織のベクトルを一つに合わせることを丁寧に繰り返し行い、従業員に浸透・共感させることが大切になります。


ダイバーシティ&インクルージョン

「ジョブ型」になれば、画一的な育成から個別最適な育成へシフトせざるを得ないので、働き方だけでなく、仕事のスタンスや働き方の価値観も多種多様になっていきます。そういった多様な人材の個を認め、尊重し合うことが必要です。


トランスペアレンシー(情報の透明性)

自立して業務ができ、異なる環境でも共働できることが「ジョブ型」では求められます。そのためには情報の共有がなければ、生産性が下がるだけでなく、不安・孤独による離脱も起きやすくなります。目指す方向、現在の状況、ノウハウ、共働するメンバーの特性など、生産性高く働くための情報が開示されていることが必要です。


今後

多くの日本企業では「ジョブ型」へ移行すべきかという点については、まだまだ議論がなされている状況です。

「ジョブ型」の導入を宣言した企業の中でも、「メンバーシップ型」と併用していくとした企業が多くあります。「ジョブ型」では組織をマネジメントできる人材や経営幹部の育成において「メンバーシップ型」に比べ劣るのではないかという意見もあります。いずれにしても単なる人事制度変更に留まらず、組織のありたい姿や求める人材像とセットで議論していくべきと言えるのではないでしょうか。

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