人事システムとタレントマネジメントシステムの違いとは?機能の違いなどを解説
人材データの管理に欠かせないものとなった人事システムの活用。世の中にはさまざまな人事関連システムが存在し、近年ではタレントマネジメントシステムというものが注目されています。
人事部門におけるデータ活用など「戦略人事」の考え方が注目される中、システム導入を検討する際には、自社にとって最適なものを選ぶ必要があります。ぜひ人事システムとタレントマネジメントシステムの違いを明確にしておきましょう。
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タレントマネジメントシステムと人事システムとは?
タレントマネジメントシステムとはどのようなシステムなのでしょうか。一般的に人事システムと呼ばれるものとの違いを知るために、まずはそれぞれの概要を押さえておきましょう。
タレントマネジメントシステムとは
タレントマネジメントシステムとは、従業員が持つ能力・資質・才能を意味する「タレント」情報を重要な経営資源としてとらえ、経営戦略として人事配置や人材開発、採用活動に活用することで、従業員と組織のパフォーマンスの最大化を目指す人材マネジメント手法「タレントマネジメント」を効率的に行うための機能を有した人事システムです。
タレントマネジメントシステムでは、タレント情報を一元的に集約・管理・分析することができます。
●基本的な機能
基本的な機能として、従業員のデータ管理機能があります。社員番号や入社日など基本情報のほか、スキル、キャリア、実績、目標・評価などの情報などをデータとして一元管理できます。また、データを管理するだけでなく、データ分析やスコアリング機能も有します。その他、コンピテンシー(ハイパフォーマーに共通して見られる行動特性)情報の管理や配属管理、組織図作成、育成計画管理、アンケート・サーベイ、目標管理、後継者管理機能などを備え従業員の様々なデータを管理できるタレントマネジメントシステムもあります。
人事システムとは
人事システムとは、人事に関わるデータを包括的に管理するシステムの総称です。広義としては、人事評価システムや給与管理システム、採用管理システムなどのほか、前述したタレントマネジメントシステムも人事システムに含まれます。
狭義としては、主に人事に関連する一連の情報を管理する機能を備えるシステムを指します。
●基本的な機能
一般的な人事システムには、従業員の基本情報や労務情報、社内における経歴や人事評価の結果、スキルなどの基本的な人事情報を管理・分析できる機能があります。その他、システムによっては人事評価、給与計算、勤怠管理、労務管理、採用管理などの機能を備える場合もあります。
タレントマネジメントシステムと人事システムの違い
では、タレントマネジメントシステムと人事システムには、どのような違いがあるのでしょうか。主な違いは2つにまとめられます。
目的の違い
第一に、目的が異なります。タレントマネジメントシステムは、タレントマネジメントを効率的に実施するために、従業員のタレントデータを活用し経営戦略に活かすことが目的です。一方、人事システムは、人事業務に必要なあらゆる人材データを一元管理し、人事業務を効率化することが目的です。
取り扱う情報の違い
第二に、取り扱うデータの種類も異なります。タレントマネジメントシステムでは、従業員の人材データとして、氏名、住所、給与などの基本情報だけでなく、スキル、キャリア、経歴、実績、研修受講歴、資格、人事考課、目標・評価など従業員個人における幅広いデータを取り扱います。
人事システムでも基本情報のほか、スキルや目標、評価といったデータを取り扱いますが、タレントマネジメントシステムのほうが取り扱う範囲が広く、種類も多い傾向があります。
タレントマネジメントシステムと人事システムを導入するメリット・デメリット
タレントマネジメントシステムと人事システムを導入することで、どのようなメリットとデメリットが生まれるのでしょうか。それぞれを解説します。
タレントマネジメントシステムのメリット・デメリット
●メリット
タレントマネジメントシステムのメリットは、人材データを幅広く管理し活用することで経営戦略にあった人事戦略の実行が可能になります。人材配置の最適化や計画的な人材育成、内部の人材発掘、社員のモチベーション維持向上、離職防止等にもつながります。
例えば、タレントマネジメントシステムを活用し、社員の能力やスキル、業務経験といった人材データを管理することで、人事異動にて適材適所の配置が可能になります。また、適材適所の配置によって従業員のパフォーマンスを高め、自身の能力が発揮できる従業員は、自ずとエンゲージメントが高まり、離職防止にもつながるといったメリットなどがあります。
このように、さまざまな種類のデータを一元管理して分析できるタレントマネジメントシステムは、タレントマネジメントを成功させるために欠かせないシステムといえます。
●デメリット
一方で、タレントマネジメントシステムのデメリットとしては、導入しても活用できないケースもあることが挙げられます。タレントマネジメントシステムではタレントデータが必要となりますが、そのデータ収集そのものができなければ、宝の持ち腐れとなってしまいます。
また、これはタレントマネジメント実施そのものにも関連することですが、社内ルールや既存の人事・労務・評価制度の見直しや新規制定が必要なケースもあり、なかなかそこまで手が回らない、もしくは時間を要するという場合もあります。
人事システムのメリット・デメリット
●メリット
人事システムのメリットは、人事業務の効率化や計算ミス低減、各種手続き申請の効率化、コスト削減など、基本的な人事業務そのものの課題解決に寄与する点が挙げられます。
また、雇用形態が複数ある企業でも、効率的に給与や労務管理を行うことができます。また、うまく人事システムを活用することにより、人事評価プロセスのスピード向上につながることもあります。
●デメリット
人事システムのみでは人材データを細かく分析したり、戦略的に活用したりすることはむずかしいでしょう。近年注目されている戦略人事という観点から人事システムを捉えているのであれば、基本機能のみを備えた人事システムでは事足らないことが多いと考えられます。
タレントマネジメントも可能な人事統合システム「LaKeel HR」
人事システムとタレントマネジメントシステムの違いに焦点を当ててご紹介してきましたが、近年は人事関連システムも多様化しています。
例えばラキールが提供する「LaKeel HR(ラキール・エイチアール)」は、人事統合システムに位置付けられます。社内の総合的な人事データを統合管理することができるのに加えて、タレントマネジメントも可能なシステムです。つまり、一般的な人事システムとタレントマネジメントシステムの機能を共に持つという特長があります。
給与・入退社手続き・勤怠管理などの基本人事システムの機能を有するだけでなく、サーベイや評価分析、異動・配置シミュレーション、サクセッションプラン、退職リスク分析などのタレントマネジメントを効率化する機能も搭載しています。
また人材管理・データ分析・施策実行までを一つのシステムでまるごと管理できることから、経営戦略としての戦略人事の実行に役立ちます。
人事システムとタレントマネジメントシステムの導入をお考えの場合はもちろんのこと、総合的に人事データを管理し、戦略的に人事を実現したいという場合にも最適なシステムです。
LaKeel HRのサービス資料は こちらよりダウンロードいただけます。
まとめ
人事システムとタレントマネジメントシステムの違いをご紹介してきました。どちらも近年の人事業務に欠かせないシステムといえます。しかし実際に、人事関連システムを導入したいという場合には、自社の目的や環境に合致した最適なシステムを選定するのをおすすめします。詳細をお知りになりたい方は、お気軽にお問い合せください。