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【2024年版】人事担当者がチェックすべき法改正一覧を紹介!改正後に備えるべきことは?

社会情勢の変動に対応するために、年々法律は改正が行われています。人事業務に関連する事項の法改正もあり、2024年もいくつか影響のある法改正が迫っています。
 
人事担当者としては、業務に影響のある法改正の内容を把握しておき、改正後に向けた動きを事前に行いたいところです。この記事では、2024年に予定されている法改正の中から、人事担当者が押さえておきたいものについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.2024年に予定される法改正
    1. 1.1.改正点①:電子帳簿保存法の改定による紙への出力NG
    2. 1.2.改正点②:建設業などに対する時間外労働の上限規制適用
    3. 1.3.改正点③:労働条件の明示すべき項目追加
    4. 1.4.改正点④:裁量労働制(専門業務型)の適用対象業務拡大と労働者への明示義務追加
    5. 1.5.改正点⑤:障害者の法定雇用率引き上げ
    6. 1.6.改正点⑥:マイナンバーカードと健康保険証との一体化
    7. 1.7.改正点⑦:社会保険の加入対象者の拡大
  2. 2.法改正によって影響を受ける人事業務と対策
  3. 3.まとめ

2024年に予定される法改正

2024年に行われる法改正は多くありますが、中でも人事担当者に大きく影響のあるものは7つあります。ここからは、それぞれの法改正内容や、それに対する事前準備について解説します。

改正点①:電子帳簿保存法の改定による紙への出力NG

2024年1月1日より、電子帳簿保存法の宥恕期間が終了するため、税務関係の電子書類を紙へ出力しての保管が原則禁止されます。電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿書類の電磁保管を認める法律で、1998年の施行から年々データ保存しやすい内容に改正してきました。
 
そして、2022年1月の改正により、税務関係の電子書類を取引先などから受け取った際に、そのまま電子データとして保管することが義務づけられました。
 
ただし、2022年1月以降も2年間に限り、紙媒体への出力が宥恕されているため、2023年12月31日までは罰則は発生しません。宥恕とは、「本来は違反であるが、特例として見逃されている状態」を指し、今回の場合だと「税務署長が特別な事情を認めているため、特例として見逃されている」状態です。
 
今後、電子帳簿保存法に対応し、電子データとして書類を保存する場合は、偽造や捏造防止のためのタイムスタンプの導入や社内でのルール制定が必要です。


改正点②:建設業などに対する時間外労働の上限規制適用

2019年に行われた36協定の改正による猶予期間が2024年の3月31日に終了するため、一部業務に時間外労働の上限が設けられます。具体的には月45時間、年間360時間が上限となります。
 
しかし、この36協定をすぐに実行するのが難しいと判断された業種は、2024年3月31日までの猶予期間が設定されました。指定された業種は、建設業、運送業、医療業、砂糖製造関連業務です。
 
上記の業種の中で、時間外労働が上限を超えている企業は、企業全体での労働環境改善に努める必要があります。人事担当者は、働き手確保のために採用活動を進めたり、業務の効率化を行ったりすることが求められるでしょう。
 
また、労務担当者と連携を取りながら、労働条件の改善や勤怠管理の強化を進め、時間外労働を減らせる仕組み作りを推進することも大切です。


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改正点③:労働条件の明示すべき項目追加

2024年4月から労働基準法施行規則が一部改正される影響で、労働者に労働条件を明示する項目が追加されました。具体的には、以下の項目を求人票や面接時などに明示しなければなりません。
 
・就業場所や従事する業務の範囲(将来的に配置される可能性があるものも含む)
・有期労働契約者の更新上限の有無と内容
・無期転換申込機会と転換後の労働条件
 
こうした変更は、雇用者と労働者との間に生じる認識の不一致によるトラブルを未然に防ぐことを目的としています。
 
契約社員を雇用している企業の場合、有期労働契約の契約書だけではなく更新時の書類も対応しなければなりません。また、無期転換ルールが適用される有期労働契約者には、無期転換申込機会がある点や労働条件についての説明が必要です。従業員に漏れなく説明できるようにしましょう。
 
特に求人票や契約書類の対応は必須事項として、優先的に修正するようにしましょう。


改正点④:裁量労働制(専門業務型)の適用対象業務拡大と労働者への明示義務追加

2024年の4月より、裁量労働制が適用される対象業務が拡大されます。さらに、専門業務型裁量労働制の導入・継続時に、従業員の同意を得ること、また同意をしなかった従業員への不当な扱いをしない旨を明示することが義務づけられます。
 
裁量労働制とは、実労働時間ではなく、契約時に定められた労働時間分を働いたものとみなして給与を支払う仕組みです。この裁量労働制には、専門業務型と企画業務型の2種類がありますが、2024年4月より専門業務型に銀行や証券会社でM&Aに関する調査や分析、戦略提案やアドバイザリーを行う業務も追加されます。
 
本来、裁量労働制は労働者が労働時間を自己管理できることを前提としており、勤怠管理が簡易化されることを目的として導入されるものです。しかし実際には、残業代の支払いを逃れるための手段として利用され、長時間労働が常態化する要因となっていました。こうした背景から、今回の改正が実施されることとなりました。


改正点⑤:障害者の法定雇用率引き上げ

2024年の4月の法改正に伴い、これまで2.3%だった障害者の法定雇用率が2.5%に引き上げられます。この法定雇用率は段階を踏みながら上がる予定で、2026年4月には2.7%になります。
 
法定雇用率が引き上げられることに合わせて、障害者雇用が必要となる企業の対象も広がり、2024年では従業員40人以上、2026年は37.5人以上となる予定です。
 
なお、一部の業種では他の業種と同じ法定雇用率を確保することが難しいとされているため、緩和策として「除外率制度」が適用されます。ただし、この除外率制度も段階を経て減らす方針であり、直近では2025年4月に一律10%低下される予定です。
 
もし障害者の雇用人数が法定雇用率を下回った場合は、行政指導の対象となります。



改正点⑥:マイナンバーカードと健康保険証との一体化

2024年秋から、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されます。これにより、従来のカードや紙の健康保険証は廃止されるため、マイナンバーカード未所持者は作成を行うなどの対応が求められます。
 
また、マイナンバーカード未所持者に対しては、健康保険組合が資格証明書を発行する予定であるため、従来の健康保険証の期限を迎えるまでにいずれかの対応が必要です。
 
人事担当者は従業員にマイナンバーカードへ移行する旨の周知や、マイナンバーカード未所持の場合にどのような対応が必要かを説明しなければなりません。


改正点⑦:社会保険の加入対象者の拡大

2020年の年金制度改正法が施行されたため、社会保険の加入対象者が拡大されます。具体的には、以下4つの条件をすべて満たす方が新たな加入対象者です。
 
・1週間の労働時間が20時間以上
・基本給と諸手当の合算が月8.8万円以上
・2カ月以上雇用する見込みがある
・学生ではない
 
つまり、これまでは労働時間が短く社会保険加入の対象ではなかった従業員も、上記の条件を満たせば加入が必要になります。また、上記の適用範囲拡大の対象となる企業には条件があります。2024年9月までは従業員数101人〜500人の企業が対象ですが、2024年10月以降は従業員数51人〜100人の企業まで対象範囲が広がります。
 
従業員数が51人~100人の企業は新たに社会保険加入者の拡大に対応する必要があるため、対象者となる従業員を確認し、社会保険加入の手続きを進めるようにしましょう。


法改正によって影響を受ける人事業務と対策

先述のように、2024年の法改正に対応するため、社内制度の整備や従業員の勤務・雇用状況の確認、従業員への周知を行う必要があります。しかし、人事データの一括管理ができなかったり、検索や共有が容易ではない管理システムを導入していたりすると、人事業務がスムーズに進まないこともあります。
 
このような問題を解決するため、新しいバックオフィス業務管理システムの導入を進めたいところですが、新システムへの移行コストなど、さまざまな課題やリスクがあるため慎重になる企業もあるでしょう。
 
もしも、導入のリスクを軽減したいと考えている場合は、柔軟なAPI連携が可能な新規システムの導入がおすすめです。また、法改正など新たな制度導入にも対応可能な仕組みがあるものだと、より人事業務の負担を減らせるでしょう。
 
こうした場合におすすめなのが、人事管理システムの「LaKeel HR」です。「LaKeel HR」であれば、EcxelやWord、個別のアプリで保管された人事データも一元管理が可能です。また、勤怠管理や給与管理、入退社手続きなど、DX化が進んでいなかった人事業務にも対応できます。
 
さらに、ハイパフォーマー分析や退職リスク予測、採用分析といったことも可能で、効率よく戦略人事を推進する手助けとなります。


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まとめ

2024年の法改正には、人事業務に影響を与えるものがいくつもあります。特に「時間外労働の上限規制の適用」や「時間外労働の割増賃金率引き上げ」は、人事データと密接に関係するため影響が大きいでしょう。
 
また、近年働き方改革が推進されているため、今後も定期的に人事分野に影響を与える法改正が行われる可能性が高いです。人事担当者は、これらの法改正の情報を正しく理解し、自社の制度やシステムの対応を行いましょう。
 
さらに、法改正や新しい制度に対応するためには、最適な人事システムの導入がおすすめです。「LaKeel HR」は豊富なAPI連携が可能なため、既存の人事データだけでなく、様々なデータも収集・統合することが出来ます。また、「LaKeel HR」ではマイクロサービスで開発した機能を部品化し、個社ごとに組み合わせたシステムの構築が可能なため、法改正などの細かい変更なども、部品単位で行うことが出来ます。そのため、最新の法改正や制度に対しても、スピーディー且つ柔軟な対応が可能となります。
 
資料のダウンロードも可能なので、より詳細な情報を知りたい担当者の方はぜひ確認してみてください。
 
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