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1on1の目的とは?メリットや進め方、効果を高める方法を解説

上司との面談において人事評価面談は代表的なものですが、近年では新たな手法として「1on1」が注目を集めています。1on1を効果的に実施できれば、職場のコミュニケーションの活性化や、社員の成長の促進といったメリットが見込めるでしょう。
 
この記事では、1on1の目的やメリット・デメリット、さらに効果を高める方法について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.1on1とは
  2. 2.1on1の目的
    1. 2.1.目的①:人材育成
    2. 2.2.目的②:従業員エンゲージメントの向上
    3. 2.3.目的③:離職率の低減
  3. 3.1on1が注目される背景
  4. 4.1on1のメリット
    1. 4.1.メリット①:部下の成長をもたらす 
    2. 4.2.メリット②:部下と上司との信頼関係を強化
    3. 4.3.メリット③:部下の意欲喚起
  5. 5.1on1のデメリット
  6. 6.1on1の進め方
    1. 6.1.ステップ①:面談を行う目的の明確化
    2. 6.2.ステップ②:日程の設定と面談の実施
    3. 6.3.ステップ③:面談の記録と振り返り
  7. 7.1on1の効果を高める方法
    1. 7.1.方法①:目的を共有し、部下の主体性を引き出す
    2. 7.2.方法②:話し合う話題を事前に準備する
    3. 7.3.方法③:上司がコーチングスキルを身につける
  8. 8.まとめ


1on1とは


1on1(1on1ミーティング)は、上司と部下が1対1で行う面談のことです。通常、週に1回または月に1回の頻度で行われます。人事評価面談のような個人面談は一般的ですが、1on1との違いは「部下のための面談であるか」という点にあります。
 
従来の個人面談では、業務改善を主な目的として、上司が一方的に部下を指導・評価します。これに対し、1on1は指導・評価が主な目的ではありません。上司は部下の話を丁寧に聞き、部下の成長のサポートや信頼関係の構築、モチベーションの向上といった目的で実施されます。
 
そのため、従来の個人面談では上司が主体ですが、1on1では部下が主体として面談が進められるという違いがあるのです。


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1on1の目的


先述の通り、1on1は部下の成長のサポートや信頼関係の構築、そしてモチベーションの向上といった目的で実施されます。ここからは、さらに具体的な1on1の目的について解説します。


目的①:人材育成

1on1の目的の1つ目は、部下の成長を促すことです。
 
1on1を通じて、部下は業務における気づきや人間関係の悩み、今後挑戦したいことなどを上司に伝えることができます。部下の話を受けて上司がフィードバックをすることで、部下は成長のヒントを得ることができます。
 
このとき、上司は部下の考えを整理し、部下が自発的に成長できるように課題の発見や改善策の考案などをサポートすることが重要です。そのため、上司自身の考えを押し付けないよう注意しなければなりません。


目的②:従業員エンゲージメントの向上

1on1の目的の2つ目は、従業員エンゲージメントを向上させることです。
 
従業員エンゲージメントとは、社員が企業理念に共感し、会社のために働きたいという意欲の高さを指すものであり、企業が成長するための原動力となります。従業員エンゲージメントを高めるためには、部下が会社や上司に対して信頼感を抱くことが重要です。
 
1on1を通じて上司が部下の話を傾聴することにより、信頼関係を築きやすくなります。部下は自身が「会社に大切にされている」と感じることで、愛着心や貢献意欲が育ち、従業員エンゲージメントが向上します。


目的③:離職率の低減

1on1の目的の3つ目は、離職率を低減させることです。
 
従業員が離職する主な理由は、人事評価制度の基準の曖昧さ、人間関係の悩み、教育体制やフォロー体制の不十分さなど様々な要因があります。
 
定期的な1on1の機会があれば、部下の悩みや不満について把握し、改善策を講じることができます。さらに、1on1を通じて部下のモチベーションを高められれば、スキルアップやキャリアアップの実現もしやすくなります。これにより、従業員エンゲージメントが向上し、離職率の低減につながります。


関連記事:離職率は平均より高い会社の特徴とは?離職率の計算方法と改善方法



1on1が注目される背景


1on1が注目される背景として、現在の世界情勢が「VUCA(ブーカ)時代」という将来予測が難しい状況にあるためです。
 
VUCAとは元々米軍で使用されていた軍事用語で、以下4つの要素の頭文字からなる言葉です。
 
・Volatility(変動性)
・Uncertainty(不確実性)
・Complexity(複雑性)
・Ambiguity(曖昧性)
 
これらの要素を総合して、環境が急激に変化して将来の予測が困難な状況を指します。
 
従来の価値観やビジネスモデルでは、環境の変化に取り残される可能性があります。そのため、企業が不確実な環境で生き残るためには、変化に適応できる人材の育成が重要視されています。このような状況下で注目されたのが、社員の成長を促す1on1なのです。
 
1on1は社員の主体性や自律性を養うことができる、VUCA時代における人材育成方法のひとつといえます。


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1on1のメリット

1on1の主なメリットは以下の3つです。
 
・部下の成長をもたらす
・部下と上司との信頼関係を強化
・部下の意欲喚起
 
それぞれのメリットについて解説します。



メリット①:部下の成長をもたらす 

1on1を通じて部下は自身の短所や長所、業務における課題などを把握でき、成長につながります。上司からのフィードバックによって長所をさらに伸ばしたり、課題の改善に向けて努力したりすることで、部下のスキルアップが期待できます。
 
また、1on1を定期的に実施することにより、部下は業務を振り返る習慣を身につけられ、自発的に成長できるようになるでしょう。


メリット②:部下と上司との信頼関係を強化

1on1は、部下と上司の信頼関係を強固にするメリットもあります。部下と上司という上下関係では、心理的な距離感が生じてしまい、信頼関係の構築が難しくなることがあります。
 
1on1を繰り返し行うことにより、業務の話に加えてプライベートの話も交えることで、互いを理解でき、信頼関係を強化しやすくなります。ただし、プライベートな話題には抵抗を感じる方もいるので、扱いには注意が必要です。


メリット③:部下の意欲喚起

1on1は、部下の仕事への意欲を高めることにも役立ちます。1on1によって信頼関係が築かれると、部下は上司に対して自身の考えを伝えやすくなります。
 
そして、伝えた内容が業務や待遇などの改善として反映されることで「上司は自身の声に耳を傾け、応えてくれる」と部下は感じることができ、仕事への意欲が高まります。



1on1のデメリット

1on1は定期的に行うものなので、その分時間がかかり、通常業務を圧迫します。特に、上司は部下の人数によって時間的負荷が倍増するため、負担が大きくなりやすいです。
 
さらに、1on1を効果的に実施するためには、上司が1on1の目的や進め方を理解すること、部下の本心を引き出すスキルなどが必要です。本来の目的から外れて、部下が主体であるという前提を理解していなかったり、上司が一方的に指導をしたりしてしまうと、1on1の成果を充分に得られません。
 
1on1を効果的に行うには、次から解説する進め方のポイントを押さえましょう。


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1on1の進め方

1on1は、以下の手順で実施します。
 
・ステップ①:面談を行う目的の明確化
・ステップ②:日程の設定と面談の実施
・ステップ③:面談の記録と振り返り
 
これらのステップを正しく理解することで、より効果的な1on1を実施することができます。



ステップ①:面談を行う目的の明確化

個人面談を突然行ってしまうと、部下が人事評価面談だと誤解する可能性があります。そのため、まずは部下に対して1on1という面談がどのようなものであり、何を目的としているのか明確な説明が必要です。
 
1on1は部下自身から業務の悩みなどを話してもらう場であること、そして対話を通じて部下の成長をサポートすることが目的であることを伝えましょう。


ステップ②:日程の設定と面談の実施

次に、1on1の日程と場所を決めます。部下の都合を無視せず、上司と部下双方のスケジュールを調整することは、信頼関係を構築するうえで重要なポイントです。また、会話の内容が周囲に聞かれない場所を選ぶことも大切です。
 
日程と場所が決まったら、予定通りに1on1を実施します。上司は部下が話しやすくなるように質問を投げかけたり、話の要点や考えを整理したりすることに注力しましょう。部下に話してもらう時間が全体の70%程度になるよう意識すると、1on1を効果的に進めることができます。


ステップ③:面談の記録と振り返り

1on1が終わったら、話した内容を記録します。その際に、クラウドツールを利用することで、データの記録や管理、過去のデータの見直しも簡単に行うことができます。
 
上司は、過去の1on1を参考にしながら今回を振り返り、部下にフィードバックをして成長を実感させましょう。また、こうして蓄積された社員の情報は、タレントマネジメントにおいて有用なデータとなります。
 
1on1は継続的に行うことでより効果を増すため、可能であれば週に1回、難しければ月に1回程度は実施するようにしましょう。


関連記事:タレントマネジメントとは?最適な人材配置を実現するためには



1on1の効果を高める方法

1on1を効果的な場にするには、以下の方法が有効です。
 
・目的を共有し、部下の主体性を引き出す
・話し合う内容を事前に準備する
・上司がコーチングスキルを身につける
 
それぞれの具体的な方法について解説します。


方法①:目的を共有し、部下の主体性を引き出す

1on1の目的を部下へ共有し、面談の主体が部下であることを理解してもらいましょう。目的を理解しないまま1on1を進めてしまうと、形だけの面談になってしまい、本来の目的である部下の成長につながらないため注意が必要です。
 
また、部下の本心や主体性を引き出すためにも、話しやすい環境づくりが上司には求められます。


方法②:話し合う話題を事前に準備する

1on1の時間をより有意義なものにするために、話し合う内容は事前に決めて共有しましょう。例えば、1on1専用のシートを作成するのも方法のひとつです。
 
このシートにアジェンダを記載することで、部下もスムーズに1on1に臨むことができます。また、実際に話した内容をメモするスペースを設ければ、面談記録も作成しやすいでしょう。


方法③:上司がコーチングスキルを身につける

1on1の効果を高めるには、上司がコーチングスキルを身につけることも重要です。コーチングとは、質問を繰り返しながら、相手の本心を引き出すコミュニケーション技術です。
 
相槌の打ち方や傾聴の仕方、オープンクエスチョンまたはクローズドクエスチョンの使い分け方などを学ぶことで、その技術を磨くことができます。
 
コーチングスキルを身につけられれば、改善策を与えるのではなく、部下自らが改善策を考えられるようサポートできるため、部下の自発的な成長を促すことにつながるでしょう。


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まとめ

1on1は人材育成だけでなく、従業員エンゲージメントの向上や離職率の低減といったさまざまなメリットを持ち、多くの企業で行われています。上司が目的や工程を正しく理解して実施することは、1on1の効果をより高めるために重要です。
 
1on1を効果的・効率的に行うには、クラウドツールの導入がおすすめです。統合型人事システム「LaKeel HR」は、人事情報の管理機能だけでなく、データ分析により退職や休職といったリスクを抱える人材を特定することが可能です。
 
また、1on1を効果的に実施するためには、必要なタイミングで迅速に行うことが重要です。LaKeel HRはスケジュール管理や面談設定機能を備えており、人事だけでなく現場マネージャーや社員とも連携が可能です。
 
LaKeel HRは多機能システムであるため、企業ごとのニーズに柔軟に対応できます。システムの活用を通じて、自社に最適な人事施策を実現してください。


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